どうもひろぺんです。
先日、残業代が出ない事はおかしい!知識をつけて自分を守ろう!出来ることも解説【前編】の記事をかきました↓↓
https://hiropen.com/no-overtime-pay-first-part/
今日は上記記事の続き【後編】です。
残業に対して、良いイメージをもっていません。理由はいたってシンプルで、基本的には企業の怠慢が残業という形で、出ている事が多いからですね。

↑このような言葉言われていませんか。

「残業を依頼されて、残業したのに一切手当が出ない」「うちは○○制度だから、残業はでない」など、残業代に対して、実際わかりにくい制度が導入されているため、確信を持てない人が多いと思います。
例えば、介護企業は24時間運営している施設も多いため、『賃金の規定は企業によって様々です』従業員がわかりにくい制度を導入して複雑化している介護施設・介護企業も多いです。
わかりにくいからといって、放置しているとモヤモヤして、疑問や不満になりストレスもかなり溜まってしまうので、自身にとって良くないことですよね。
この記事でケース別に賃金制度の誤解を理解し、残業代が出ない状況をどのように改善していくべきか、その対処法も合わせて【前編】【後編】と分けて、紹介していきます。
ケース別に解説「〇〇だから残業代が出ない」の誤解【後編】
上司や経営者の一方的な残業代についての解釈やパワハラとも取れる発言で、従業員側が誤解しているケースも多く、支払われるべき残業代を「○○制度だからしょうがない」「契約上やむを得ない」と勘違いしている可能性・危険性があります。
前回の【前編】記事で、説明した残業代について誤解されやすいのは主に次のケースです↓↓
- 【固定残業代】残業代が給与に含まれる「みなし残業代込み」でも残業代が発生する
- 【変形労働時間制】繁忙期と閑散期のバラ付き対応する制度でも残業代は発生する
- 【年俸制】給与額を1年単位で決めていても、残業代は出る
この記事の【後編】で説明する残業代について誤解されやすいのは主に次のケースです↓↓
- 【残業禁止】社内ルールで「残業禁止ルール」があったとしても残業代が発生するケースがある
- 【管理監督者】(名ばかり管理職)社内での肩書のみだと、残業代は発生します
- 【法定内労働と法定外労働】「1日8時間働かないと残業代は出ない」は「割増にならない」の間違い
- 【フレックスタイム制】変形労働時間制に似ています。労働時間によっては残業代がでます。
それぞれ説明していきます。
【残業禁止】社内ルールで「残業禁止ルール」があっても残業代は発生するケースがある


だいたい上記のような会社は、社内規則などで、『残業禁止』と表記されていることが多いです。そして、大半は残業自体を黙認しています。
社内規則で『残業禁止』と表記されていても、この場合でも残業代の支払い義務が発生することがあります。
残業とは本来、会社側の指示や命令が下され、行われるものです。『残業禁止』とされている場合なら、個人の意思で「残業」はたしかに残業代が出ないケースに該当しますが、『残業禁止規則』があっても、支払い義務が生じるケースがあります。
『残業禁止』でも残業代が発生するケース
- 常識的に終わらない量の押し付け
- 納期のギリギリの仕事の押し付け
- 残業の禁止・許可が必要なことが周知されていなかった
- 残業の黙認
上記は残業代が発生するケースの代表例です。「残業禁止」にあるにも関わらず自身が「残業」をさせられているのであれば、日時と作業内容、作業量を証拠として残しておきましょう。
まず「残業禁止」に対して、口頭周知はNGです。
よって、企業側は『就業規則』や『残業禁止命令書』で残業禁止を命じ、周知する必要があります。そうでなければ、「残業禁止」でも法律上は「残業禁止」になっていません。
ブラック企業ではなぜ「残業禁止」が多い?
残業禁止を作る理由として、多いのは単純に『残業代を支払いたくない』からと、恥ずべき背景がある場合があります。
例えば「残業禁止」にしているのに
- 職場をサービス残業して当然の空気にしている
- 自宅に仕事を持ち帰らせる
- タイムカード打刻後に働かせる
などの手口を平然と使い、サービス残業が常態化している企業があるので、自身の現状を確認しておいたほうが良いです。
【管理監督者】(名ばかり管理職)社内のみの肩書のみだと、残業代は発生します


そもそも、管理職は大きく2種類あります。『名ばかり管理職』と労働基準法上の『管理監督者』ですね。
もちろん、管理職として任命されたのであれば『管理監督者』として扱われるべきなのですが、そうも言えない実情の会社が世の中には蔓延っています。
自分が『名ばかり管理職』か労基上の『管理監督者』か見分ける7つのポイント
- 管理職になったら、残業代がもらえなくなり『給料が減った』
- 出退勤の時間が決まっている。もしくは、制度上に定められていなくても、内状ではきまった時間に出退勤せざるを得ない
- 所属する店舗、施設、支店で意思決定などはあるが、本社の経営方針に意見を言うことが認められていない
- 役職手当はあるが、薄手当給であり、残業時間と不釣り合い
- リーダーポジションだが、「部下への評価へ関与していない」もしくは「人事に関与していない」
- 経営者、部長などの指示をそのまま部下に伝える権限しかない
- 採用において、一次面接はしているが、最終的な採用の決裁権はない
*上記1つでもあてはまれば「名ばかり管理職」の可能性があります。
そして名ばかり管理職は、他の従業員と勤務管理なども同じであるため、残業代は出て当然です。
名ばかり管理職の有名なマクドナルド事件
この事件はサービス企業全般が震えた事件ですね。
東京地裁で平成20年1月28日に、日本マクドナルドの『店長』が名ばかり管理職として未払い請求をして、裁判所が「名ばかり管理職」を認めて、約760万円の未払い残業代を認めた事件です。
管理職のはずなのに、経営に参画できなかった
このマクドナルドの店長は、PA採用、PA昇給、昇格の決裁権をもっており、また店舗の支出に関しても、一定範囲で決裁権がありました。
ただ、店舗の独自メニュー開発や仕入先、商品価格の決定はできなかったため、経営に参画している状況とは言えませんでした。
よって、『名ばかり管理職』として認められたのです。
マクドナルド事件と同じ企業が多すぎる問題
上記の内容をみて「私もそうだ」「似ている」と思った人は多いのではないでしょうか。

同じように、PA採用、時給、昇給やシフトを決めることができても、仕入先など商品価格の決裁権はない人が大半ですね。
管理監督者に該当しなければ、もちろん残業代は出ます
割増賃金の支払いについては「管理監督者」は法律上対象外です。よって、休日手当や残業代は対象外です。
また遅刻や早退などにより給料が減額されたり、一般の社員と地位的な扱いや給料が変わらなかったりする場合も、法律でいう「管理監督者」には該当しないのです。
「残業代が出ない」のは労基上の『管理監督者』に該当する場合のみ
管理監督者に該当せず、社内の肩書である『名ばかり管理職』は、もちろん残業代の支払い対象となります。
【法定内労働】と【法定外労働】「1日8時間働かないと残業代は出ない」は「割増にならない」の間違い

『1日8時間労働』とは法定労働時間の話です。
会社で定められている「所定労働時間」と実際の「労働時間」に差がある場合は残業代は出ます。
例えば、「所定労働時間」が7時間の場合で、労働時間が8時間になった場合は、1時間分の残業代が支払われるべきです。
『割増賃金』と『残業代』は別物
『割増賃金』は法定労働時間である『1日8時間労働』を超えた場合に生じます。残業代は前述したとおり、「所定労働時間」と「労働時間」の差なので、別物ですね。
法定内残業(所定労働時間と労働時間の差)=残業代のみ
法定外残業(1日8時間以上労働)=残業代+割増
『割増賃金』と『残業代』がともに出るケース
たとえば、所定労働時間「7時間」の人が「9時間」働いた場合。
残業時間は2時間です。その内訳は以下の通り
- 7~8時間の1時間は法定内残業で『残業代のみ』がつく
- 8~9時間の1時間は法令外残業で『残業代+割増』がつく
よって、法定内(所定労働時間と労働時間の差)・法定外(1日8時間以上労働)どちらの残業にも残業代は付きますが、割増になるのは法定外残業に対してのみです。
【フレックスタイム制】総労働時間を超えると残業代は発生する

フレックスタイム制とは

フレックスタイム制で残業代が発生しない場合
たとえば、1日に法定労働時間を超える10時間働いた日があったとしても、清算期間内の1週間で労働時間を調整して、平均労働時間が法定労働時間内(40時間以内)であれば、法的問題もなく、残業代も未発生です。
フレックスタイム制で残業代が発生する場合
清算期間の総労働時間よりも多く働いた場合には、残業代が支払われる必要があります。
フレックスタイム制自体はとても素晴らしい制度で、労働者のしごとと生活の両立である『ワーク・ライフ・バランス』を図り、生産性や業務効率の向上を期待できます。
働き方改革全盛の現代には役立つ制度なので、このような制度で残業代が未払いということはないようにしたいですね。
【*前編と同内容です】「残業代をもらえない!」その場合に取るべき対策
残業代が出ない状況を打破する2つの対策を紹介します。
*前編と同内容です。
その①会社と交渉して残業代を支払ってもらう
まずは、自社の賃金制度を把握しましょう。
そして把握した上で、制度外の状況になっており、残業代が出ていないのであれば、直接聞いてみること。
*重要な話合いをする場合は、ボイスレコーダーを設定するクセをつけておきましょう。

役所などの場合は、担当者が変わるだけで言っていることが変わるので、絶対に必要です。実際に録音のおかげで助かったこともあるので、必須です。
直接言って、改善されない場合
労働組合を通じて会社に是正・改善を求めればオッケイです。もし、労働組合を通じて解決できなかったり、そもそも労働組合がなければ『労働局』や『社外の相談窓口』を利用すること。
その際、自分ひとりで会社と闘うと、メンタルがやられてしまうこともあるため、同じように改善を求めている有志を募り、合同で動くことをオススメします。
その②残業代が出ないなら、残業をなくす方法を模索する

もしあなたが、その企業で今後も働きたい!と考えているのであれば、残業そのものをなくす、方法を考えて行動してみましょう。
残業をなくすための行動4つ↓↓
- 仕事の効率を上げて、所定労働時間を下げる
- 業務量と人員が不釣り合いであれば、増員依頼
- 無駄な定例会議をなくして業務時間に当てる
- 業務配分を見直し、タイムテーブルの再構築
自身の行動でできることは、作業効率を上げたり、仕事の優先順位明確にしつつ、勤務することです。
とはいえ、1人では限界があるため、上記4つの項目などは、上司や経営陣に働きかけていかなければ、根本的には解決しません。
始める前から「何をやっても変わらない」「骨折り損のくたびれ儲けになるだけ」とあきらめず、まずは行動してみましょう。
*個人でそこまで、する必要はない!と考えているのであれば、環境をかえることをオススメします。
最後に
2回の記事に分けて、現在多い残業未払いになってしまいがちな制度について記しました。
私も、飲食・介護の経営者側ですが、今回の内容はすべて気をつけていますし、知らない従業員に対して、情弱狩りをするのではなく、あえてこちらから社会教育の一環として、教えています。
未払いになる大半は、労働者が知識がないと判断し、そこにつけこんでくるヤカラ経営者がいることです。
また、残業代をどうしても出してこない介護施設や介護企業があれば転職をして環境を変えることが一番近道で、ストレスや負担が少なくオススメです>>【エージェントおすすめ4選】介護士で転職をするなら、転職(派遣)サイトやエージェントに登録することをオススメする理由
まずは自分が知識をつけて、残業代未払いを認めない姿勢でいることが重要なので、今回の【前編】【後編】の記事を読み込んで頂いて、自衛出来るようになることを祈っています。
それではよい1日を!!
コメント
コメント一覧 (1件)
[…] この記事でケース別に賃金制度の誤解を理解し、残業代が出ない状況をどのように改善していくべきか、その対処法も合わせて【前編】【後編】と分けて、紹介していきます。 […]