

- 人に任せようかと思ったけど人に任せるより絶対自分でやったほうが速いし楽だわ。
- なんで、こんなに時間がかかるんだ。早くデータくれ。自分でやるべきだった..
- 社内では誰よりも自分は仕事が早いから、自分でやったほうがいい
上記のように、『自分でやったほうが早い(楽)病』になっている人は、『自分でやったほうが早い(楽)病の罠』にかかっていることにお気づきでしょうか。

作業スピードや要領がいいハイパフォーマーの人ほど、他者に対して、このような考え方になりがちです。しかし『作業スピードが早い・要領がいい人=仕事が出来る』ではありません。
さらに、厄介なことにマネジメントを行う人がこの思考になると、チームは全く成長しないことです。
今回は『自分でやったほうが早い(楽)病』の罠について解説するとともに、どのよう解決させて行くべきか!について記事にしていきますので、ぜひ最後までお付き合いください。
『自分でやった方が早い(楽)病』の罠にかかっている人達の特徴
皆さんはビジネスをやっていくうえで人に仕事を任せることは得意でしょうか。この任せるという言葉は、もちろんタスクも責任も全投げのような『無責任な任せ方』ではありません。
あくまでそのタスクに対する責任は自分が背負った状態です。本記事では、部下や後輩場合によっては同僚などに仕事を任せる場合を指します。

このハイパフォーマーペンギンさんのように、特に自分自身がハイパフォーマーの場合、人に適切に任せる事が出来ていない人が多からず少なからずいます。
まさに本日のタイトルである自分でやったほうが早い(楽)病の罠に知らず知らずのうちに、かかってしまっている状態ですね。
なぜ任せずに自分でやってしまうのか
自分でやったほうが早い(楽)と考えている事は間違いであり、間違いではありません。

なぜ間違いではありません。かというと、ハイパフォーマーのほうがもちろん、よりクオリティの高い仕事ができるからです。
ただし、間違いではない場合に該当するケースは、あくまでフリーランスのような一人でタスクを抱え込み、最初から最後まで一人で仕事を行う事が前提の人の話です。
世の中、一人で完結させる仕事をしている人のほうが少ないですよね。チームで仕事をしていく上で、俯瞰的・長期的に見て「任せずに自分でやってしまう」これは果たして正解といえるでしょうか?私はそうは思いません。
自分で何もかもやってしまう多くの方はこのように考えている方が多いです↓↓
- ミスする確率が上がる
- 余計な労力が上がる
- 期限に間に合わない
- いいサービス・商品が出来ない
- 量・質ともに不十分
結果、自分でやったほうが良い!と短絡的な解決策に走ってしまいがちですね。


『なぜまかせずに自分でやってしまうのか』をざっくりいうと、チーム作業というコトを理解していない!
だから『自分ですべてやったほうが早い(楽)病』にかかってしまっているんだと感じます。
自分でやったほうが早い(楽)病の罠にかかると大きな弊害がある
自分でやったほうが早い(楽)と言っているほど、ずっと同じ状況が続いています。
この状況からもわかるように、長期的にみてその人の束ねているチームのパフォーマンスが上がっていないことは一目瞭然ですね。
一時的にタスクを消化させる思考である『自分でやったほうが早い(楽)』は、結論その場しのぎにすぎません。長期的なチーム形成に全く向いていない発想であり、これは周りの皆の成長にとっても大きな弊害です。
では、ここから『自分でやったほうが早い(楽)病』の罠にかかっている人達が、上手に人に任せるために理解すべき5つのことを解説していきます。
『自分でやった方が早い(楽)病』の罠にかかっている人達が人に上手に任せる理解すべき5つのこと
理解すべき事5つのことを理解して、すぐに部下・後輩・同僚にタスクを任せることが上手になるとは言い切れませんが、自身の心の余裕は生まれるはずです。

もちろんもっと細かい部分を言うと、キリがありませんが、押えるべきポイントとしては十分です。
この5つを知っているか知っていないかで、チームのパフォーマンスはとてつもなく変わってきます。ぜひ押さえてくださいね。
その①:【一番重要】何をやるかではなく何がゴールかを伝える
『何をやるかではなく、何がゴールかを伝える』この内容は一番重要なので、少し長くなりますが、ぜひお付き合いください。
よくやってしまいがちなタスクの振り方としては、『○○をやってくれ!』という言葉があります。この言葉は使う場面を間違えると結果的に失敗してしまいます。
もちろん、ハードルが低い単純作業や通常業務ルーティンの場合は全く問題はありません。「コピーとってて」「メールを俺に送ってて」…etc
ただ、初めて行う作業や少しでもハードルが上がった場合は適切な指示ではありません。これは結果的に何度もやり直しが発生します。
最初の指示出しの説明に気をつける
間違っていはいけない誤解ですが、何をやるかが重要ではなく、何がゴールかを伝え理解させる事が重要です。
例えば、資料作成のタスクを依頼するとき
- ボリューム:何枚ぐらい
- 資料のイメージ:グラフorテキスト
- 期限:○月○日まで
のようなものは伝えているかと思います。これはもちろんマストですね。
ここに+αで必ず重要な事を伝えてください!
『この資料作成のゴールはなにか』を加えていきましょう。
がこういったますとで伝えるべき情報に加えてこの仕事の目的つまりゴールは何かを加えていきましょう
『悪い/良い』具体例は以下の通り
↑↑の説明では、なんのために資料を作るかわからないため、依頼した側が欲しい情報が入っていない可能性があります。
↑↑の説明では『目的(ゴール)=新商品を開発するための稟議書』がわかっているため、A・B商品のメリット、デメリットを中心に比較できる資料を作成し、必要に応じてグラフとテキストを使用することがわかるはずです。
前者の指示だと、単なる作業になってしまいますが、後者の指示だとゴール(目的)に向けてイメージを作りながら、パフォーマンスを引き出すことができるような指示です。
ゴール(目的)を伝える重要性はこれだけでも十分おわかりいただけるのではないでしょうか。
その②:認識のすり合わせは指示ではなく対話方式

仕事の作業内容によっては、当日で終わるものもあれば、1週間期限のもの、さらには1ヶ月を使っての月間ルーティン作業などもあります。
期限があるもので、内容が重要なものほど、締め切り直前に提出をしてもらうスケジューリングではかなり危険ですね。
もちろん信頼のおける部下や後輩に依頼をしていて安心感がある場合は別ですが、通常は自分の認識通りまたは理想のものが、改善なしの一発OK状態で、挙がってくることは稀です。
前述した、その①何をやるかではなく、何がゴールかを伝え、イメージを共有していたとしてもです。
作業工程を事細かに説明もNG
だからといって、作業の工程を事細かに説明するというのは推奨できません。
なぜなら、部下や後輩が『ゴールに向けて仮説をたてる』という経験が積み上がらないため、いつまで経っても成長できません。
そして、事細かに説明し、作業だけをさせることは、言い換えれば、あなたの分身みたいなものです。あなたの分身を作ったところで、組織やチームとしてはなんの面白みもありません。
では面白くするためにはなにが必要か…
それは認識やゴールのすり合わせを対話で行うことを意識すること。
指示ではなく対話をすること

指示のみでは得られないことが対話に3つあります。
- 部下・後輩が依頼者(上司)の意図や解像度がわかる
- 部下・後輩の理解度がわかる
- 部下・後輩に気づきを与えることができる
②を厳かにすると、指示する側が「相手はこんな簡単なこと当然理解しているはずだ!」や「さすがにこのレベルは持ってきてくれるだろう」と考えがちです。
しかし、これらはすべて伝える側すなわち依頼する側の怠慢以外のなにものでもありません。
しっかりと作業者の理解度を把握しながら、場合によってはサポートして今後自分で同じようなポイントに気づき改善するように促すことができるように、後でフィードバックしてあげることが重要です。
そして、上記を繰り返すことにより、『部下や後輩=作業者』の成長につながるため、ゆくゆくは自分自身も圧倒的に楽な状況が出来ていきます。
間違ってはいけないのは、それぞれの個性を活かしてあげること。自分のコピーを作っても気づきにくい視点、死角ができてしまいますし、何より面白くない。
そして『気づきを与えられる』例えば以下のようなメリットが発生します。
- 具体的にはこれってターゲットは誰だっけ
- 今行っている作業はゴールとそれているから、軌道修正が必要だ
- このポイントはどの部署の人間に聞いたら早いかな
そして、気付きを与えることができるということは、成長のきっかけを作ってあげることと同等の意味があります。
きっかけさえ作って与えて上げる事が出来れば、成長していく部下・後輩はたくさんいます。何でもかんでも細かい指示を出していくと、考える力やきっかけが生まれません。
『自分がやったほうが早い(楽)病』の罠にかかっている人は、このきっかけさえも奪っていることに気づきましょう。
その③:すぐに結果を出すことと人に任せて育てるは全く別物だと認識する
実際に人に任せて育てることは、余裕がなくて当然で、結果もすぐについてくるものでは有りません。
部下・後輩などに『任せる』ことをしながら『育てる』ことは上司の器量(人によっては忍耐)や先見が必要です。
『自分でやったほうが早い(楽)病』にかかっている人の多くは、部下に仕事を任せた場合のリスクを先にいくつも想定出来ている人が少ないです。
それは部下・後輩に任せる=結果を出して当然という、無言の無茶振りがあるからですね。
失敗は成功のもとという言葉を知っているかと思いますが、この言葉を体現するためには、失敗した本人以外にも周りの理解や影響の関係性が密にあるということを肝に命じておきましょう。
なので【人に任せて育てる=結果は出なくて当然】すなわち、失敗して当然です。結果がついてくると儲けもの!くらいの器量(人によっては忍耐)が必要です。
人材育成を長期的に見ていくならば、失敗を成功に変えていく必要があります>>【失敗を成功に変えよう】その失敗って本当に失敗?実は成功へのヒントかもしれません
その④:任せるの言葉の本質を捉える
上司・部下・後輩などの『任せる』言葉の本質はシンプルに以下2点です。
- 任せる=仕事をふることではない!を理解する
- 任せる=失敗することができる権利を与えること
どうでしょうか。
任せるという言葉の本質を紐解くと、だた単に仕事を振ることだと多くの人・上司が勘違いしているはずです。それは任せるではなく、無責任なだけですよね。

とドンと構えることが大切です。これは言い換えれば、覚悟を決めることです。
個人的に感じることですが、構えること(覚悟をきめること)が出来ていない人ほど、『自分でやったほうが早い(楽)病』の罠にかかっている傾向があります。
その⑤:自分のコピーなんぞいらない
自分でやったほうが早い(楽)病の罠にかかっている多くの人は「自分がもうひとりいればな〜」とか意味のわからない事を考えてたり、つぶやいてたりしています。

チームは様々な個の集合体で、形成するからこそ化学変化を起こして、革新的なアイデアやひらめき、そして新たな境地に冒険したくなるような感情が生まれるものです。
それぞれに適正ポジションがあり、そこでの力を尖らすためには『自分がやったほうが早い(楽)病』の考えが愚かな事は至極当然のことであると認識できるはずです。
サッカーで有名なアルゼンチン代表バルサ不動のエース『メッシ』選手が、グラウンドに11名いて、成り立ちますか?成り立たないですよね。極論これと同じことです。
最後に
本記事の内容を実行できれば、あなたも『自分でやったほうが早い(楽)病』から脱することができます。
もう一度5つの解決策or処方箋をおさらいします。
- 【一番重要】何をやるかではなく何がゴールかを伝える
- 認識のすり合わせは指示ではなく対話方式
- すぐに結果を出すことと人に任せて育てるは全く別物だと認識する
- 任せるの言葉の本質を捉える
- 自分のコピーなんぞいらない
この中でも、やはり①の『何をやるかではなく何がゴールかを伝える』重要性は理解してもらいたいです。

プレーヤーとして優秀な人ほど自分だったら○○!とか考えがちです。そうではなく、自身のアウトプットの質をあげ、そこにレバレッジをかけていきましょう。
自分自身のアウトプットにレバレッジをかけることにより、チームでパフォーマンスを発揮するという発想転換が生まれ、いつか大きな成果につながります。
最初は大変かもしれないですが慣れてしまった時には、気づくはずです。自分だけでは、持てない視点や発想、そしてチームメンバーがいればより効率的にパフォーマンスを発揮することができることを…
それでは良い1日を!
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