どうもひろぺんです。
私は現在約6年介護の経営に携わっています。飲食も別会社で運営しており、役員をしています。

その間に2度あった、介護保険制度の改悪もありましたが、日々の介護職員のお陰で年々業績は右肩上がりのキレイなグラフを描けています。

私の職場では、私より経験豊富な介護職員が多く、正直めちゃくちゃ頼もしいですね。日々勉強ですが、やはり現場知識は10年選手には到底かないません。
本当に日々皆のおかげでおもしろおかしく過ごすことができており、来年度には新たな事業を手掛けることができそうです。
今日はそんな『魅力やメリット』の多い介護職に対して、経営陣としての目線と介護業界に入り10年たった私の会社の介護職員と共に、6年介護事業所経営、10年介護現場でしてみて感じる『魅力・メリット8つ・デメリット5つ』について記していきます。
*めちゃくちゃ長い記事になっていますので、目次から興味のある部分を読んで頂いた方がよいかもしれません。
では記していきます。お付き合いのほど、何卒よろしくお願いいたします。
介護職の『魅力・メリット8つ・デメリット5つ』
少し教科書的な言い回しになりますが、介護職とは身体的・精神的または環境の問題によって介護を要する方のご支援をして、本人をサポートすることにより、家族なども間接的にサポートできる社会的にも重要な仕事です。
もちろん肉体労働であり、病気を初め、様々な課題を抱える生身の人間を相手にシゴトをするため、感情も出やすいですし、当然ながら頭脳も必要といえます。
現在介護の仕事を検討している方、またはすでに就いている方、もしくは何の仕事をしようかと考え中の方
今の立場は皆様それぞれだと思いますが、介護の仕事をしてみてわかる『魅力・メリット・デメリット』を10年介護職員と6年介護経営の両目線から解説していきます。
介護職のメリット8つ

1.未経験から始められる
介護職は専門職ですが、無資格未経験から始めることができる事が大きなメリットです。
学びながら、給与をもらいつつ『介護職員初任者研修』を受けて、修了試験に合格すれば、訪問介護もできるようになります。『介護職員初任者研修』の資格を取ると、直接給与の査定に繋がる施設が多いです。
*無資格でも『入浴や排泄』などの身体介護ができます。ただし施設の方針により、入浴はNGなど決まりを定めているところもあります。
さらにキャリアアップのみならず、現場の経験を活かし、自身に経営スキルがあるならば、独立して、経営者になることも可能です。これも人によっては、大きなメリットですね。
2.働きがい・やりがいがある
公益財団法人 介護労働安定センターの就業実態と意識調査によると『やりがいがある』は下図の通り、介護職を決めた一番の理由になっています。これも1つのメリットですね。
実際に、仕事をしてみると、間接的ではなく直接的にご支援をするので『人の役に立っていることを実感』できます。
私の場合は、接客業上がりもありますが、元来、人と関わることが全く億劫ではなく、むしろ好きな部類だったため、個人的には『天職』に近いものを感じます。
利用者の「笑顔!」「*これは本当においしい!!また食べたい!!!」「ありがとう!」「助かります。」などの感謝の言葉を受けると、介護職冥利に尽きるというか、あの瞬間は本当に嬉しいものです。これが、この仕事の一番良いところだと感じます。
*(食事は元シェフや現役パティシエもいますので、食事にはめちゃくちゃ自信のある事業所を運営しています。)
この『やりがい』を悪用し、人の善意につけ込むヤカラがいます。
経営者をはじめ、上司や施設長が『やりがい搾取』をしてくる事業所にだけは、くれぐれも気をつけてくださいね。
3.求人が多いため、就職や転職に困りにくい
日本は、人口約1/4が高齢者という超高齢社会です。
そして、これからピークを迎えるため、介護の需要が無くなることはありません。
介護に限らず、日本国内の企業で人手不足という悩みを抱えているため、介護の就職事情は求職者が優位といえます。
介護は売り手市場であるため、市場にあるサービスを存分に活かし、地の利を得て、求職活動や転職活動を有利に進めることが可能です。
一番わかりやすく良いサービスは、代理人的なポジションにあたる『転職サイト・転職エージェント』を活用して、希望企業に対して、妥協せずに『求めているモノ(例えば給料など)』を交渉してもらうことです。
4.介護職は想像以上に現代の生きるセーフティネット!
『介護職は就職しやすい』のもこれは介護職の大きなメリット。
「人手不足なんだから当りまえ!」そう思われるかもしれません。でも、これは良い点でもあるんです。
裏を返せば簡単に就職できるため、気にいらない事業所や企業にあたった場合は、転職もしやすいし、一度経験していると介護職を離れたとしても、復職しやすいのです。

もしあなたが、介護職を経験したあとに、他の事がやりたくなって他業種に転職して、もし失敗しても、一度介護職を経験していれば「介護職があるからなんとかなる」という大きな後ろ盾ができます。
となれば、自分のやる気次第では無職になることが皆無に近くなるため、「この先の将来、どうやって生きていこう」なんて将来の不安はなくなりやすいはずです
『生きるため』という目線で語ると、介護の仕事を経験すれば『生きるため』のハードルはガッツリと下がり不安が1つ減ります。
5.キャリアアップしやすい王道ルートはSTEP3つ!
王道ルートは以下の通り↓↓
-
STEP1*介護初任者研修**介護初任者研修を取得して、次のステップにつなげる(この時点で昇給になる施設有)*
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STEP2*(介護福祉士)実務者研修**(介護福祉士)実務者研修を取得して、介護福祉士の資格を得る権利をGET*
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STEP3*介護福祉士**介護福祉士を取得して、現場の最大戦力化になる(万単位での月収UPができる)
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STEP4*王道完成**このあとは社会福祉士やケアマネを目指す人もいます*

介護福祉士などの資格を取得すると、なぜ昇給UPしやすいのか?それは仕組みにあります
【施設が昇給できる仕組み】
介護福祉士がいるかいないか、また人材比率に応じてなど『加算』を取得する条件に該当することになります。現状を施設が役所に申請することにより、結果的に施設に介護福祉士絡みの加算で『+α』でお金が入るようになるため
介護福祉士は、国家資格です。
これは、医師や看護師また公認会計士などと同じですね。
ちなみに施設によっては、介護福祉士だけを採用する介護施設や管理職を任せる際に条件とする介護事業所もあるため、転職先の選択肢も広がります。
独立などを考えている際は、様々な基準の観点も含め、是非もっておきたい資格が『介護福祉士』に当たります。
介護職は、他の職種と比較しても、キャリアアップしやすい職業という大きなメリットがあります。
例えば、飲食業未経験でフロアを始めた場合、フロアのサービススタッフ、フロアサブリーダー、フロアリーダー、副店長、店長、MGRもしくはSV、地域支部統括という道のりが激しく遠いのと、年数や肩書より、その企業での現場経験がその人のキャリアアップを支えます。
かたや、介護職の場合は、働く年数などによって受験資格が与えられるため、資格を取得することで公的資格や国家資格がキャリアを証明してくれるため、資格があるだけで転職などにも大きな武器になります。


資格を取得することで、転職先でも手当がつき給料がアップするだけでなく、仕事の幅が広がったり、管理職になったりと、キャリアアップの道を自力で開きやすいです。
6.自分の家族が介護状態になった時に仕事の経験が役に立つ!
今後、自分の親など家族が要介護状態になることは十分あり得ます。
よく面接をしていると、介護未経験主婦の方などの応募理由で多い1つが「これから自分の親が介護することもあると思うので、応募しました」
上記理由が、未経験主婦層の介護職スタート時に意外と多いです。


もちろん介護職を通して、仕事で得た現場ノウハウが役に立つのはいわずもがなですが、それよりもっと還元されて良い部分は以下の通り。
- 心構えや準備の方法
- 各役所との取引・手続き
- 介護費用の工面の重要性
- 介護保険の仕組み
- 施設やケースワーカー・ソーシャルワーカーとの関わり方
- 施設の種類や特徴、適宜必要なサービスの知見
身内介護は身体が大変になることは当然なのですが、『介護』は何よりメンタル面がやられてしまうことが、結果として一番厳しい状況になってしまいます。
なので、メンタル面で準備できる、上記の点を近い距離で学べるところが最大のポイントだと感じますね。
7.専門職へ転職の道も開ける、労働賃金から脱することが可!
専門職のケアマネージャー、ソーシャルワーカー
介護職のキャリアアップの道は、介護福祉士で終わりではありません。
介護福祉士を取得した後、『介護支援専門員』の資格を取って「ケアマネージャー」になるケースや『社会福祉士』などの資格を取得して、「ソーシャルワーカーや生活相談員」などの専門職に就き、活躍している人も多くいます。
またここまで来ると、誰が見てもわかる箔がついてくるため、賃金の取得方法も変化していける点になってきます。
労働賃金→知識賃金or資本賃金
セミナー講師、コンサルティング、カウンセラー、ヒーラーセラピストなど↓↓
労働賃金→知識賃金
法人設立など↓↓
労働賃金→知識賃金や資本賃金
勤めている上で、労働賃金というのは、一番給与が上がりにくい給与取得方法です。よって自分の体験・経験を活かして、そのジャンルを他人に知識としてサービスを提供する『知識で賃金』を取得する方法
法人設立して、知識賃金で稼ぎつつ、法人の資本を活かし、資本を担保にして、レバレッジを効かせて、より大きな資本を取る『知識・資本で大きな賃金』を取得する方法
このように、自分の努力次第で自分自信の価値を上げて、時間単価をあげることが可能です。
どんどん上を目指せる介護業界は、努力し、考えて行動することが出来る人にとっては将来性にあふれた業界といえるでしょう。
重要な事は『努力』『思考』『行動力』です。
8.人として成長できる!
これは大きいですね。利用者である高齢者は人生の先輩でもあるため、人として学べることが多くあります。その方の経験や熟成された考えのお話はきっと良い学びになり人として成長できます。
そのような環境下ではお世話をしているつもりが、逆に勉強させてもらうことができます。
また、介護職は命に関わる仕事であり臨機応変な対応も求められるため何があっても動じず冷静に対応できる対応力も養われます。

実は、多いのは反面教師になる高齢者です。
認知症高齢者になると、中核症状もそうですが、何よりBPSD(行動、心理症状)などの影響により、人格が歪められている人が多くいます。正直認知症は病気ですから、これは致し方ないことです。
ここから難しい問題で、認知症じゃない方でも横柄な態度をとったり、セクハラをしてきたり、暴言を連呼したり、サービス外を強要する人がいます。こんなんクレーマーと変わらんですからね。
クレーマー系高齢者は『介護士のメンタル崩壊』を引き起こすトリガーをいくつももっていて、容赦なくぶっ放してきます。だからこそ、真に受けてはいけないし、毅然とした態度を取ることが可能な施設に入るコトがベストです。
『客=神様』の認識をしている高齢者が正直本当に一番めんどくさいし、間違いなく問題ばかり生みます。職員のみならず、他の入居者の方に迷惑がかかることが本当に耐えかねませんね。
飲食などでも同じですが、1,000円払ってランチを食べているのに、騒いでいる客がいると、その人はいいかもしれませんが、周りの人からしたらたまったもんじゃないですよね。そこに1,000円の価値はないです。


そのような残念な方の行動・言動を「自分は将来こんな無様な高齢者になりたくない」と『反面教師』として、捉えることにより、人として成長できることも考え方によっては可能です。
クレーマーに対して施設が守ってくれるか、見てみぬふりをするか、対処療法的な対応をするかによって、周りの職員の対応も異なります。それがあなたの日々のストレスなどもかわってきますので、悪しき行動に対しては『凛とした応対ができる施設』に属して、務めることが人として成長できるための重要なコトです。
*職場がセルフコントロールを作れる環境にしておかないと、日々のストレスで高齢者虐待などの起因になりかねません。
介護職のデメリット5つ

1.給料が安くなりがち
全職業の中でも、介護職は給料が少ない方に位置します。これには様々な理由がありますが、大枠は以下の通り4つ
- 介護保険制度が賦課方式
- すべての管理が国や地方自治体
- 経営手腕がなく、利己的かつやりがい搾取の『クソ経営者』が多い
- 誰でも出来る仕事と思う人=低賃金
- 介護で給料を求めることを悪と捉える人たち(キラキラ系介護士含む)
すべて書くと、とても長くなります。気になる方は下記の記事より、ご覧ください。
2.夜勤があると不規則になりがち
夜勤がある職場だと、不規則になりがちです。
その反面夜勤後は『明け→休み』のシフトになり1日半の休みになることを喜ぶ介護士も少なくありませんので、これは人による問題かと思います。
*自分が求めるワーク・ライフ・バランスやQOLを予め、決めておくことで入社前と入社後のギャップが生じにくくなります。
もし、自分が20代の介護職員なら夜勤を選ぶかどうか
夜勤の経験は介護関連の職をする上で、非常に大きなアドバンテージだと認識しています。
ちなみに私がもし、20代介護職員ならば、夜勤ありの職場でガンガン働いて、そのまま30代以降はこれまでの経験と知識を活かして、時間単価を上げるべく、前述した『知識賃金もしくは資本賃金』を得るために介護版の『知識集約型の労働や資本集約型の労働』の0から1のフェーズを作りにかかります。
*ちなみに、介護施設は箱物ありきの労働集約型産業です。時間単価が上がりにくい=自分の価値があがりにくい産業の代表格です。
3.人間関係でつまづくと大変(介護業界はお局多し)
これは介護の離職率が高い大きな理由の1つです。パワハラ含め、お局、無能上司などが多いですね。
正直、こればかりは『入社』してからでないとわからない部分が多いです。さらに介護業界は女性でも50代などが多い分、他業種と比較しても『お局発生率が高い』です。


*ドラクエ知らない方すみません。
要は、お局が多いコトと人間関係に難がある施設が多いことをわかってください。
そして、人間関係でつまづくと業務関連すべてにおいて、ミスが生じやすくなったり、介護業務のミスは生死似直接関わるコトもあるため、非常に危険です。
そして、パワハラ上司やお局問題で毎日が憂鬱な気分になってしまうことも本当に嫌なコトですからね。
4.身体的精神的負担が大きい
…頻繁に人を抱えるなどしているため身体への負担は大きいものです。
腰を痛める方もいらっしゃいます。
施設では夜勤もあることから、生活リズムが不規則になり、過酷となります。
介護職はいわゆる3Kといって「きつい」「汚い」「危険」とも呼ばれています。
しかしこういったイメージは考え方の問題でもありますので、実際にやってみて自分がどう感じるかが大事です。
特に「汚い」については慣れて気にならなくなるといいます
5.離職率の高さから人材が足りなくなる
今回挙げたメリット9つもあるのに、「やっぱり介護職は離職率が高いんだね」そう思う人人も多いと思います。介護職を知らない方からしたら「介護職=大変」だからやっぱり離職が多いんだ!というイメージだと思います。
介護職はキツイから人がこない?
これ違うんですよ。介護職=大変だということは100も承知だし、理解してはいってくれる人のほうが多いです。それだけ覚悟も決めれくれている人が多いわけですね。
離職の理由の大半は以下の通り↓↓
- 劣悪な労働環境
- 経営者のビジョンがない、あっても飾りになっている
- 職場の人間関係問題
- 低賃金
- 残業の常態化、サービス残業
- 休暇が少ない、年次有給休暇が取れない
- クレーマーを野放し(利用者本人・家族)
上記を悪いまま放置している事業所・企業が多いことが最大の要因です。
ステマみたになってしまいますが、私の介護事業所では昨年度離職率は0%ですし、この6年間で退職者も数名で理由が『夫の転勤』『両親の介護のため』などですね。
とはいえ、別に自分が有能な経営陣側の人間だと思っておらず、当たり前のことを当たり前にしている結果だと自負しています。逆に言うと当たり前のことをしていなから、介護職員が離職するわけで、経営陣などは当たり前のコトをすればいいだけです。
付き合いのある求人媒体や転職エージェントなどにも『良事業所』と認識されているため、人材募集する際も、良質な人材が集まりやすい環境になり、すべてが好循環なるわけです。

こんな経営者がいます↓↓


*擁護する気はないですが、経営が難しい点*
介護業界を支えている社会保険制度の介護保険制度は国がすべての決定権をもっています。3年に一度の法改正で、基本ベースは『改悪』です。
そして、時々爆弾級の改悪をしてきます。この国の無慈悲とも言える、裁についていけない経営者がいるのは事実です。
拍車をかけるように、8%に消費税があがる時「増税分の消費税をすべてを社会保険に回す」と豪語していましたが、結果的に16%しか使われていません。残り84%は使用用途不明…

介護業界に携わっているイチ個人として「介護職が絶対おすすめ!」というつもりは正直ありません。でもやってみたいなら手に職をつけれますし、介護自体は国から絶対なくせないのでそういう意味では安定しょくです。
ですから、トライする価値はある職だと思います。
その時の施設・会社選びが一番重要であることは言うまでもありません。
そして、よくこのブログを通して、ブラック企業などに当たると転職すべきというのは、『介護職は嫌いじゃないのに、会社のせいで介護職自体も嫌いになってほしくない』思いもあります。
最後に:介護職の魅力
介護職の魅力は、すべて今日のメリットの話と重複してしまいます。
その中でも、やはり『やりがいを感じることができる事』が一番です。
人に必要とされることは、やはり大きな喜びです。介護職は肌で直接感じるため、こればかりは介護職冥利につきると思います。そして、仕事を通して得るものも多くあります。
私は福祉事業において、介護職のシゴトは5つのシゴトで構成されていると考えています。
- 死事:『何も考えず労働をしてとりあえず生きるためのシゴト』
- 詩事:『自分だけの理想のため』
- 私事:『自分のやりたいことをする』
- 仕事:『利用者のためになるコトをする』
- 志事:『社会のためになる』
本当に思います。『社会のため』に勝る魅力ってありますかね。こんなステキな業界は少ないはずです。
そして、『志事』を目指せる環境を整えることが出来るのが『介護経営者』であると考えています。①〜⑤のどれにするかもまずは『介護経営者、会社、事業所』で介護職員が変わります。
介護職員も自分自身に余裕がないと、上記の④や⑤なんて考えてられなくなります。この記事をもし見ているなら、経営者であるあなた次第です。
それでは良い1日を!!!
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